井上康生「も」完全復活
2006/06/06 11:56
柔道の井上康生選手が一昨日の「全日本実業団体対抗大会」において3試合オール1本勝ちで完全復活しました。吉田康人は、2004年9月3日付「やすとログ」でも詳述したとおり、井上康生さんを応援しています。下記は、その「やすとログ」でも紹介した2004年8月21日付の「産経抄」です。
《ヘミングウェーに『勝者には何もやるな』という短編集があった。勝った者はあちこちから祝福を受けるが、敗れた者には屈辱や悔恨や苦渋や辛酸があるばかり。しかし実は、敗者のほうこそ"人生の滋味"というものがあるのかもしれない▼井上康生はなぜ敗れたのか。日本選手団の主将であり、柔道ニッポンの顔であり、不動の"無敗神話"を持つ男が、金はおろか何色のメダルにも手が届かなかった。五輪には魔物がひそんでいるといわれるが、4回戦につづいて敗者復活戦でもあっけなく負けてしまった▼体調は万全だったそうだが、素人の目にも1回戦から井上康生の目の焦点が定まらぬさまが見てとれた。体にも精気が感じられなかった。初めから勝つような気がしなかったが、アテネ入り後に右手親指に故障が発生していたという(サンケイスポーツ)▼「頭が真っ白になったというのが一番いい表現だが・・」とうつむいて語っていたが、真っ白になったのはテレビさじきのほうである。「この屈辱と悔しさはいまだかつて味わった
ことがなかった」という告白に、深い人間的苦渋があった▼ベスト8入りを逸した福原愛ちゃんの言葉もなかなかのもの。楽しめましたかという質問に、「楽しむために来ているのではないので、そういうことはない」。自信がついたかと聞かれて、「そんなきれいごとではないですよ」と答えた。これが15歳の少女の言葉だろうか▼再び康生に戻ると、「これから先にも柔道人生がある。この屈辱をプラスにして、階段をはい上がっていきたい」と語っている。4年後の北京で、たぶんこの男は2倍、3倍にも大きい人間的成長を遂げているだろう。それを期待して敗者に花束を贈りたい》。
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