堕胎女性に対する心のケア(4)

2007/06/14 19:54


 この問題に関してミクシィ日記へいただいたコメントを拝見すると、みなさんが「ティーンエイジャーの人工妊娠中絶」を特に深刻に受け止めておられることが感じられます。5月29日付「産経新聞」に動物行動学研究家・竹内久美子さんの「10代の人工中絶なぜ地方に多いのか」という論文が載っていました。同論文の要点は次のとおりです。   (1)政府の報告によると、ティーンエイジャーの人工妊娠中絶は3万件超(平成17年度)。10歳代の女の子1,000人あたり9.4人。
  (2)ティーンエイジャーの人工妊娠中絶は都会より地方で多い。
  (3)「都会の子は正確な性知識を持ち、地方の子は不正確な性知識しか持たない」という時代でもない。「地方のほうが都会より避妊具が入手しにくい」ということが最も大きな要因になっていると思われる。
  (4)「寝た子を起こすのでは」という指摘もあろうが、ティーン向け雑誌(取り分け、女の子向け雑誌)の付録としてコンドームをつけるなど、避妊具が入手しやすい環境を整えるべき。
 何とも、産経新聞に載る論文にしては結論の部分が「らしくない」論文ですが(笑)、旧態依然とした取り組みや考え方ではティーンエイジャーによる人工妊娠中絶問題に対処できなくなっている「現実、実態、変化」を社会全体で認識しておかなければならないのは事実です。
 1つ前のログでも指摘したように、人工妊娠中絶の実際の件数は厚生労働省が把握している件数の約4倍に上ると言われています。竹内さんが挙げておられる「ティーンエイジャーの人工妊娠中絶は3万件超」というデータは恐らく厚生労働省の調査をベースにしていると思われます。しかし実際には、ティーンエイジャーの堕胎は年間12万件、いや、闇の部分を考えると15万件近くに及んでいるのではないでしょうか?。高槻市内だけでも毎年、400人前後の10歳代の女の子が人工妊娠中絶手術を受けている計算になります。
 これも1つ前のログで指摘しましたが、「役所が実態を把握できていない」ということが何よりも致命的な問題。実態によっては、竹内さんの「都会と地方」に関する問題提起も全くトンチンカンなのかもしれません。堕胎児を1人でも減らし、そして、堕胎によって心身ともに深い傷を負うことになる女性の負担を軽くするためにも、「心のケア窓口」を通じて「生の声」を聞く取り組みが急務になっていると考えます。
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