「道をひらく」

2007/07/15 22:06


 選挙に敗れた吉田康人を見たある支援者のかたからお薦めいただいた本を読みました。松下幸之助著「道をひらく」です。PHP研究所の機関誌「PHP」の裏表紙へ松下幸之助が時に触れ折に触れ感懐を連載してきた短文の中から、121篇を選んだものです。昭和43年に編集された珠玉のこの随想集を自らの生きる「バイブル」として大切にしておられるかたがたも少なくないはずです。
 ここではその中から「大衆への奉仕」という1篇をご紹介します。以前、やぶちゃんのコーチングを受けている時、こんな遣り取りがありました。
  やぶちゃん「やすとさんが街頭演説、街頭活動にこだわる理由は何?」。
  吉田康人「大衆を信じているから」。
  やぶちゃん「顔が見える○○さんでなく(笑)、顔が見えない(不特定多数のという意味)大衆をどうして信じてるの?」。
 やぶちゃんのこの質問へ上手く答えられなかった記憶があります。しかし、松下幸之助のこの一文を読んで溜飲がすっと下がりました。人間の迷い、そして、それを切り開く道を端的に言葉にしてくれるこの本はやはり「バイブル」ですね。

<<大衆への奉仕

 大衆は愚衆である。だから、この愚かな大衆に意見を聞くよりは、偉大なる一人の賢人があらわれて、その独裁によって政治が行われることが、もっとも望ましい−−かつての大昔、だれかがこんな考えを世に説いて、それが今日に至るも、なお一部には、達見として尊ばれているようである。
 たしかに大衆には、こうした一面があったかもしれない。そしてこうした考えから、多くの誤った独裁政治、権力政治が生み出され、不幸な大衆をさらに不幸におとしいれてきた。しかし、時代は日とともに進み、人もまた日とともに進歩する。今や大衆は、きわめて賢明であり、そしてまたきわめて公正でもある。この事実の認識を誤る者は、民主主義の真意をふみはずし、民主政治の育成を阻害して、みずからの墓穴を掘り進むことになるであろう。
 くりかえして言うが、今日、大衆はきわめて賢明であり、またきわめて公正である。したがって、これを信頼し、これに基盤を置いて、この大衆に最大の奉仕をするところに、民主政治の真の使命があり、民主主義の真の精神がひそんでいると思うのである。
 国家繁栄への道も、ここから始まる>>
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