新年度は林英臣政経塾から(2)

2010/04/02 22:47


 例えば、日本語の最大の特徴に「一音一音が明瞭である」、また、「48音の一音一音に意味がある」ということがあります。

 外国語をいくつか少しでもかじった経験がある人ならわかると思いますが、なるほど、そのような言語に出会ったことがありません。「c」は、ま、「シー」とは読みますがそれは「c」というローマ字の読みかたであって、「c」ひとつでは言葉の読みは確定しません。「ce・・」と続く場合と「ch・・」と続く場合と、全く異なる読みが与えられます。

 大和言葉の音「ハ」には「発現、出る、発する」という意味があります。そして、「ナ」は「調和、まとまっている」。大地から出ているという意味の「ハ」+自然と調和しているという意味の「ナ」=「ハナ」→「花」となります。顔の真ん中に出ていて「ハ」+顔全体をまとめている「ナ」=「ハナ」→「鼻」。そして、その人(モノ)の中から発せられる「ハ」+その人(モノ)のと調和している「ナ」=「ハナ」→「華」です。大和言葉は意味を持っている一音一音の組みあわせによって成りたっているのです。

 このように一音一音を明瞭に発音し、一音一音に意味があり、さらに、その一音一音が基本になっているという言語体系は世界に類例をほぼ見ません。日本語において、言葉が単なる意思伝達手段にとどまらず、言葉そのものに霊力が宿っている(言霊)と理解されているのはそのためでもありましょう。

 私達日本人は、世界人類の根本言語とも言える日本語、大和言葉を大切に守っていかねばなりません。
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