地方都市、鎮守の森、祭ばやし
2010/04/14 22:25
「やすとログ」でも何度か述べてきました。吉田康人は今、林英臣政経塾( http://www.hayashi-hideomi.com/ )の塾生として日本の歴史を改めて学んでいます。問題意識は明確です。「明治維新のどこで、我が国は進路を誤ったのか?」。最近は、「明治維新で掲げた国是が40年としてもたなかったのはなぜか?」と言いかえるようにしています。
自称「保守」派の人々の中には戦後民主主義の歪みを指摘し我が国の終戦後の民主化の歴史を否定する向きが少なくありません。しかし、否定すべきは大東亜戦争でもなければ大東亜戦争以降の我が国の歴史でもないと考えています。明治維新の歴史を見直すことなしには「新しい日本」の「新しい坂の上の雲」、今後数百年は朽ちない「新しい日本の国是」を見つけることはできないと確信しています。
こうしてアンテナを張っているとビンビンと引っかかってくるものが多いのです。3月12日付朝日新聞「天声人語」に載っていた元首相の故・大平正芳氏の言葉もその一つです。「地方都市が栄え、町はずれの鎮守の森から祭ばやしが流れる」。明治維新を境に我が国が失いつつある大切なものを端的に見事に表現した言葉だと思います。「天声人語」はこの言葉を「田園都市構想の原風景だろうか」と評しています。
恐らく、明治維新の誤りの一つは、天皇陛下・皇室の政治利用を初めすべてを政治権力へ集中させようとしたこと、そして、強い国家をつくるという掛け声のもとすべての政治権力を中央へ集中させようとしたことでありましょう。我が国はこの結果、地方の繁栄を失い、自然との調和を失い、そして、地方の文化を失いつつあります。戦後の我が国の歩みも政治権力至上主義、中央至上主義を何ら是正するものではありませんでした。
「地方都市が栄え、町はずれの鎮守の森から祭ばやしが流れる」。大平首相(当時)が亡くなってから30年が経ちますが、この言葉の響きがますます新しく聞こえるところに現代日本の病巣を感じます。
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